karen の意味とは?
Karen(カレン)は、些細なことで店員やサービス業の人に高圧的に文句を言い、理不尽な要求をする中年白人女性を指すインターネットスラングです。
「マネージャーを呼びなさい!」と要求するような振る舞い、自分の特権意識に無自覚なまま他人をコントロールしようとする態度、さらには人種差別的な行動で警察を呼ぶような振る舞いまで——こうした行動パターンを総称する言葉として、2020年に世界的に広まりました。
日本語では「クレーマーおばさん」「モンスタークレーマー」に近いニュアンスですが、Karen にはアメリカ特有の人種的・階級的な文脈が強く含まれている点が大きな違いです。実際に Karen という名前である必要はなく、行動パターンそのものを指す言葉として機能しています。
karen はどんな時に使う?
典型的な「Karen」行動
Karen が指す行動には、いくつかの典型パターンがあります。
SNSでの使い方
SNSでは、上記のような行動を撮影した動画に「This is such a Karen moment」「Classic Karen」とコメントしたり、理不尽なクレームに対して「OK Karen」と返したりする使い方が一般的です。
karen の元ネタ・由来
アフリカ系アメリカ人文化の系譜
Karen ミームには、アメリカの黒人文化に長い前史があります。
奴隷制時代、黒人は権力を振りかざす白人女性を 「Miss Ann(ミス・アン)」 と呼んでいました。1990年代以降は 「Becky(ベッキー)」 が、特権意識のある白人女性を指すスラングとして使われました。Karen は、この系譜の最新版にあたります。
Dane Cook のコメディ(2005年)
Karen という名前が「嫌な奴」の代名詞として使われた初期の記録として広く引用されるのが、アメリカのコメディアン Dane Cook の2005年のネタ「The Friend Nobody Likes(誰も好きじゃない友達)」です。このネタの中で Cook は、友達グループに必ず一人いる嫌な奴の名前として「Karen」を使い、「Karen is always a douche(カレンはいつもウザい)」と語りました。
映画『Mean Girls』(2004年)
映画『ミーン・ガールズ』に登場するキャラクター Karen Smith(アマンダ・サイフリッド演)も、名前の文化的な印象に影響を与えたとされています。
「マネージャー呼びヘアスタイル」の定着(2014〜2017年)
2014年、Reddit で 「Can I speak to the manager? haircut(マネージャーを呼んでヘアスタイル)」 というミームが投稿されました。前が長くて後ろが短いボブカット——リアリティTV 番組『Jon & Kate Plus 8』の Kate Gosselin(ケイト・ゴスリン) が象徴するこのヘアスタイルが、Karen のビジュアルアイコンとして定着しました。
2016〜2017年にかけて、このヘアスタイルと「理不尽なクレーマー」のイメージが Reddit の starter pack ミームなどで結びつき、Karen というキャラクター像が形成されていきました。

Karen として有名な画像
r/FuckYouKaren の誕生(2017年)
2017年、Reddit にサブレディット r/FuckYouKaren が作成されました。現在は60万人以上のメンバーを持つコミュニティに成長しています。
同年、Redditor karmacop97 が元妻の Karen に対する愚痴を投稿したことがバイラルし、「Karen=元妻が子供の親権を取ろうとする」というミームも一時的に流行しました。「Karen」の定義が初めて投稿されたのは2018年3月です。
BBQ Becky → Permit Patty → Central Park Karen(2018〜2020年)
2018年以降、白人女性が黒人に対して不当に警察を呼ぶ動画が次々とSNSで拡散され、それぞれにニックネームがつけられました。
これらの事例は「Becky」「Patty」「Caroline」と個別の名前で呼ばれていましたが、やがて Karen がすべてを統合する総称 として定着しました。
Central Park Karen — 決定的な転機(2020年5月25日)
Karen ミームを世界的に爆発させたのが、Central Park Karen(セントラルパーク・カレン)事件です。
2020年5月25日、ニューヨークのセントラルパークで、白人女性 Amy Cooper が、リードを外した犬を注意した黒人のバードウォッチャー Christian Cooper に対し、911に電話して「アフリカ系アメリカ人の男性に命を脅かされている」と虚偽の通報を行いました。一部始終がビデオに録画されており、SNSで瞬く間に拡散。
同日、ミネアポリスで George Floyd が警察官に殺害される事件が発生。この2つの出来事が重なったことで、Karen ミームは「面白い理不尽クレーマー」から「白人の特権意識と人種差別を象徴する言葉」へと質的に変化しました。
パンデミックでの爆発(2020年)
COVID-19パンデミック中、マスク着用を拒否して大騒ぎする人々の動画が大量にSNSに投稿され、Karen ミームはさらに広まりました。The Guardian は2020年を 「the year of Karen(カレンの年)」 と呼びました。
Karen の男性版はある?
Karen は主に女性(特に白人中年女性)に対して使われますが、同じような行動をとる男性を指す言葉も存在します。
例文・使い方
karen は悪い意味?ポジティブな意味?
Karen は完全にネガティブな意味で使われるスラングです。理不尽で高圧的、特権意識が強く、他人への配慮に欠ける行動を批判・揶揄する言葉であり、誰かを Karen と呼ぶことは明確な侮辱です。
ただし、以下の点は押さえておく必要があります。
あわせて読みたい言葉
karen と近い文脈で使われるスラングやミームを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。
まとめ
Karen は、理不尽なクレームや特権意識に基づく高圧的な態度、さらには人種差別的な行動をとる中年白人女性を揶揄するネットミームです。
段階的に進化し、The Guardian が2020年を「カレンの年」と呼ぶほどの文化現象になりました。
ミームとして笑い飛ばす面がある一方で、人種差別や特権意識という深刻な問題とも結びついている言葉であることを理解しておくと、英語圏のSNSやニュースの文脈がより深く読み取れるようになります。
