shitstorm とは?「大炎上」英語スラングの意味・由来・使い方を解説

shitstorm とは?「大炎上」英語スラングの意味・由来・使い方を解説 ネット用語

shitstorm の意味とは?

shitstorm は、大量の批判や反発、炎上が一気に押し寄せて、収拾のつかない大騒ぎになっている状態を指すスラングです。

日本語では「大炎上」「批判の殺到」「炎上沙汰」に近い表現で、単なる軽い批判ではなく、制御不能なレベルで反発が集中している状況を強調します。

1948年のアメリカの戦争小説が初出とされる古い言葉ながら、2000年代以降にネット炎上文化と結びついて再定義され、ドイツ語の辞書にも正式収録されるほど英語圏外にまで広がった珍しいスラングです。

shitstorm はどんな時に使う?

問題発言や不祥事の直後に批判が殺到している時

X や TikTok で、問題発言をした人に対してコメントや引用が一気に殺到し、タイムラインが炎上ツイートで埋まっているような場面で使われます。
「軽く叩かれている」レベルではなく、「もう手がつけられない」と感じるほどの荒れ方が shitstorm の条件です。

企業や有名人のPR失敗で収拾がつかなくなった時

商品の誤解を招く広告、不用意な発表、タレントの炎上などで、企業アカウントが謝罪を出してもまだ火が収まらない、そんな状態を指す時にぴったりの言葉です。
英語メディアでも「The company faced a shitstorm」という形でしばしば見出しに登場します。

政治スキャンダルや大型炎上案件の規模感を強調する時

もともと軍隊スラングに由来する語なので、政治家の発言や政策発表が大規模な反発を生んだ時にもよく馴染みます。
ニュース記事や論説では、「massive shitstorm(規模の大きい炎上)」「week-long shitstorm(一週間続く炎上)」のように程度表現とセットで使われる定型が定着しています。

shitstorm の元ネタ・由来

語源は shit + storm の合成語

shitstorm は、shit(フン、ひどいもの)と storm(嵐)を組み合わせた合成語で、直訳すれば「フンの嵐」。
英語圏では vulgar slang(下品な俗語)に分類され、Merriam-Webster の辞書でもその旨が明記されていますが、使用頻度そのものは非常に高い語です。

1948年、Norman Mailer『裸者と死者』で初登場

Oxford English Dictionary および Merriam-Webster が記録する shitstorm の初出は、1948年に発表されたアメリカの作家 Norman Mailer の戦争小説『The Naked and the Dead(裸者と死者)』です。

太平洋戦線に従軍したアメリカ兵たちの過酷な状況を描いた作品で、砲撃や混乱の比喩として使われました。つまり shitstorm はもともと戦場スラングだったのです。

1960〜1990年代、軍隊から政治・社会スキャンダルへ

1960〜70年代のベトナム戦争期には軍人ルポやニュースで広まり、1980〜90年代にかけて24時間ニュースとケーブルTVの発達にともなって、政治スキャンダルやメディアの加熱報道を指す言葉として日常会話にまで降りてきました。
「物理的な戦場の混乱」から「情報空間の混乱」へ意味が拡張された時期です。

2002年11月、Urban Dictionary に登場

ネットスラングとしての shitstorm が辞書系サイトに最初に登録されたのは、2002年11月7日に Urban Dictionary ユーザー D’emon が投稿した「shit storm」のエントリーです。
2004年2月3日には Improv Resource Center Forums で「There’s a Shit-Storm Coming!」という投稿が見られ、コメディや掲示板文化の中で定型句として広まっていきます。

2009〜2013年、Macmillan・Duden など辞書に正式収録

2009年9月には Macmillan Dictionary が「多くの人が非常に怒っている、または多くの問題が起きている状況」として shitstorm を収録。

2012年2月には、ドイツのドイツ語協会が「Anglizismus des Jahres(今年の英語流入語)」の2011年トップに shitstorm を選出し、「ドイツ語語彙のギャップを埋めた」と評価しました。
2013年にはドイツ最大の辞書 Duden が Der Shitstorm として正式収録しています。

2018年、メルケル首相が公の場で使用

2018年、ドイツのアンゲラ・メルケル首相がテクノロジー会議で、自身のインターネットに関する過去発言を振り返って「Das hat mir einen großen Shitstorm eingebracht(それは私に大きな shitstorm をもたらした)」と発言し、The New York Times でも話題になりました。

英語では公の場では避ける vulgar な語が、ドイツ語圏では国家元首レベルの人物が公に使えるまでに一般化していることを示す象徴的な出来事です。

例文・使い方

That tweet caused a massive shitstorm.
→ あのツイートは大規模な炎上を引き起こした。
The company faced a shitstorm after the announcement.
→ その会社は発表のあと、大きな批判の嵐にさらされた。
Brace for the shitstorm once this video drops.
→ この動画が公開されたら、炎上の嵐に備えて。

shitstorm は悪い意味?ポジティブな意味?

shitstorm は、基本的にかなりネガティブな意味で使われる表現です。
単なる軽い批判ではなく「制御できないレベルで荒れている」「批判が一気に噴き出している」といった強い規模感を含むのが特徴で、Merriam-Webster でも vulgar slang として分類されています。ビジネスや公的な場面では通常避けられる言葉です。

ただし、英語圏ではカジュアルな会話やメディアの論説では普通に使われ、ドイツ語圏ではむしろ下品さが薄まった一般語として定着しているという温度差があります。

日常会話では「a bit of a shitstorm」のように緩めの程度表現とセットで、冗談っぽく使われることもありますが、フォーマルな場ではまず使わない言葉だと認識しておくのが無難です。

あわせて読みたい言葉

まとめ

shitstorm は、大量の批判や炎上が一気に押し寄せて、大きな騒ぎになっている状態を指すスラングで、1948年の Norman Mailer の戦争小説を起点に、政治、メディア、そしてインターネットを経由して進化してきた歴史の長い語です。

英語圏では下品な俗語として扱われますが、ドイツ語圏では Duden に収録され国家元首が使うほどに市民権を得ており、ネット炎上という現象の普遍性を象徴する1語となっています。

X や TikTok で「あ、これ shitstorm だな」と思ったら、下手に首を突っ込まずに通り過ぎるのが、一番賢い立ち回り方かもしれません。

SNSスラングやミームを英語で理解できると、学びが深まります!

→ DMM英会話で無料体験してみる
A〜Z
索引
タイトルとURLをコピーしました