ESL の意味とは?
ESL とは、「English as a Second Language」(第二言語としての英語)の略です。本来は英語教育の正式な用語で、母国語が英語ではない人が学ぶ英語・その学習プログラムを指します。
しかしオンラインゲームや SNS では、「英語ネイティブじゃない人・英語が下手な人」を馬鹿にする侮辱語・煽り文句として転用されています。文法ミスやスペルミスをしている相手に向かって「ESL?」「You’re ESL」と言う形で使われます。
この侮辱的な使われ方は、英語能力と知性・能力を結びつける偏見、つまり「英語が上手く話せない=頭が悪い・下等だ」という linguistic racism(言語的人種差別)の一形態として研究者から批判されています。
ESL はどんな時に使う?
オンラインゲームのチャットで
Dota 2・League of Legends・CS:GO・VALORANT などのオンラインゲームのテキストチャットで、味方や敵の英語に文法ミスやスペルミスを見つけた時に「ESL?」「Lol are you ESL」と煽る形で使われます。特に英語を共通語とする国際サーバーで、英語がネイティブでないプレイヤーを嘲笑したり、コミュニケーション上の問題をその人のせいにするために使われます。
SNS・掲示板での煽り・マウントとして
Reddit・Twitter(X)・4chan などのオンラインコミュニティで、相手の英語の間違いを見つけた時に「ESL moment(ESLのやらかし)」と揶揄したり、議論で相手の意見を却下する口実として「you’re ESL, you don’t understand the nuance(英語が母国語じゃないからニュアンスがわからないんだ)」のように使われます。これは相手の言葉の中身ではなく英語力を攻撃する、論点ずらしの一種でもあります。
自虐・前置きとして(比較的無害な用法)
「Sorry, I’m ESL so my English might not be perfect(英語が母国語じゃないのでごめん)」のように、自分が非ネイティブであることを前置きとして自ら言う場合もあります。この場合は攻撃的ではなく謙遜・先回りの意味合いが強いですが、英語が下手であることをあらかじめ謝罪しなければならない文化そのものへの疑問も提起されています。
ESL の元ネタ・由来
教育用語としての起源
ESL は英語教育の学術・教育現場で長年使われてきた正式な略語で、英語を第二言語として学ぶ人向けのカリキュラム・クラス・支援プログラムを指します。アメリカ・カナダ・オーストラリアなどの英語圏の学校制度において、移民の子弟や新たに移住した成人に対する英語教育の文脈で広く使われてきました。
オンラインゲームコミュニティへの浸透(2000年代〜)
国際的なオンラインゲームが普及した2000年代以降、英語を共通語とするゲームサーバーで非英語圏のプレイヤーが増加しました。その中で、文法ミスをした相手を「ESL」と呼んで馬鹿にする文化がゲームチャット内で広まっていきました。Dota 2・Counter-Strike・League of Legends などのグローバルなプレイヤー基盤を持つタイトルのチャット欄が特に温床となり、のちに Reddit・Twitter などの SNS にも広まりました。
侮辱語としての問題性:linguistic racism(言語的差別)
「linguistic racism(言語的人種差別)」とは、ある言語の話し方・訛り・流暢さに基づいて人を不当に評価・差別することです。「ESL」を侮辱語として使うことはこの言語差別の典型的な形で、以下の問題をはらんでいます。
例文・使い方
ESL は悪い意味?ポジティブな意味?
あわせて読みたい言葉
ESL と近い文脈で使われるスラングやミームを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。
まとめ
ESL は英語教育の正式な略語として「第二言語としての英語」を意味しますが、オンラインゲームや SNS では英語ネイティブでない人を馬鹿にする侮辱語として転用されています。
この侮辱的な使われ方は linguistic racism(言語的差別)の一形態であり、英語力と知性・能力を不当に結びつける偏見を強化します。世界の英語話者の約75%は非ネイティブスピーカーであるという現実を踏まえると、「英語ネイティブが正しい」という前提そのものへの疑問も持つべきでしょう。
言葉の正しい意味と、それが侮辱語として転用される問題性をあわせて理解しておくことが大切です。

