orbiting の意味とは?
orbiting(オービティング)とは、直接的な連絡は絶っているのに、SNS上では相手の投稿を見たり「いいね」を押したりして、存在をアピールし続ける行為を指す恋愛スラングです。
まるで惑星の周りを軌道(orbit)を描いて回り続けるかのように、距離を保ちながら相手の周辺にい続ける、という天文学のメタファーから生まれた言葉です。
ghosting(突然連絡を絶つこと)とは異なり、完全には消えない点がポイント。メッセージには返信しないのに、Instagramのストーリーズは毎回見ている、投稿にはいいねをつけてくる。
そんな「消えたのか消えてないのかわからない」モヤモヤした状況を言語化した言葉です。
orbiting はどんな時に使う?
orbiting は、主にデートや恋愛関係が終わった(はずの)後に、相手がSNS上で微妙な距離感で存在し続ける状況を説明する時に使います。
典型的な orbiting の状況
- メッセージやDMには返信しないのに、ストーリーズは毎回閲覧している
- 投稿に「いいね」を押してくるが、直接話しかけてはこない
- ツイートにリアクションをつけるが、DMには既読スルー
- ストーリーの閲覧者リストで常に上位に表示される(つまりすぐに見ている)
orbiting される側の気持ち
orbiting の厄介さは、相手の意図がわからないことです。「まだ私に興味があるの?」「なぜ連絡はしないのにSNSだけ見てるの?」という疑問がずっと残り続けます。ghosting であれば「もう終わったんだ」と区切りをつけられますが、orbiting は相手の存在がデジタル上にチラつき続けるため、気持ちの整理がつきにくいのです。
orbiting の元ネタ・由来
Anna Iovine と Man Repeller の記事(2018年)
orbiting という言葉を作ったのは、ニューヨークのライター Anna Iovine(アナ・アイオヴィーン) です。
2018年、Iovine は Tinder で出会った男性と2回デートした後、テキストメッセージに返信が来なくなりました。「もう終わったんだな」と思ったものの、その男性が自分のInstagramストーリーズを毎回、しかも一番最初に見ていることに気づきます。
友人にこの話をしたところ、全員が同じような経験を持っていることが判明。ファッション・カルチャーメディア「Man Repeller」に寄稿した記事の中で、同僚の Kara がこの現象を「keeping you in their orbit(あなたを自分の軌道に留めておく)」と表現し、ここから orbiting という造語が生まれました。
Iovine 自身の定義は、「close enough to see each other; far enough to never talk(お互いが見える距離にいるのに、話すことは決してない)」 というものです。
バイラル化と主要メディアでの報道
この Man Repeller の記事は瞬く間にバイラルし、New York Times、HuffPost、ABC News、The Cut など主要メディアが取り上げました。ghosting の次の恋愛トレンドとして注目され、「SNS時代にしか存在し得ない恋愛行動」を名付けた言葉として英語圏で広く浸透しました。
命名者自身の後悔
興味深いことに、Iovine 自身は後に Mashable で「asshole なデート行動にかわいい名前をつけるのはもうやめよう」という趣旨のコラムを発表しています。orbiting、cushioning、breadcrumbing といった恋愛バズワードの乱立について、「本質的には全部ひどい行動なのに、名前をつけることでネタ化・軽視してしまう」と自省的に語りました。
orbiting の心理 — なぜ人は orbiting するのか?
心理学者の Ryan Howes は HuffPost の取材に対し、orbiting の背景にある心理を「ambivalence(両価性・迷い)」と分析しています。
人間関係では、相手が100%完璧なことも100%合わないこともほとんどなく、「良いところもあるけど合わないところもある」のが普通。関係を終わらせた後も、「本当にこの判断でよかったのか」「違う道を選んでいたら楽しかったのでは」という迷いが残り、それがSNSでの監視行動として表れる、というのが Howes の見解です。
そのほかに考えられる理由としては以下が挙げられます。
ghosting との違い
orbiting を理解する上で最も重要なのが、ghosting との違いです。
Iovine はこの違いについて、「インターネット以前は、ghosting した相手の近況を知る方法はほとんどなかった。電話帳で調べるくらいだったかもしれない。でも今は1秒もかからずに相手の生活を覗ける」と指摘しています。
プラットフォームごとの orbiting
orbiting の「見える化」はプラットフォームによって異なります。
例文・使い方
orbiting は悪い意味?ポジティブな意味?
orbiting は基本的にネガティブ、またはフラストレーションを感じさせる意味で使われます。
相手から直接的なコミュニケーションは避けられているのに、SNS上では気配が残り続けるという状況は、混乱や不快感を生みやすいです。orbiting される側は「この人は私に興味があるの?ないの?」という曖昧さに振り回されます。
ただし、相手が関係を完全に終わらせることができず、未練や迷いが残っている兆候として解釈されることもあります。「完全に興味がなくなったなら、そもそもストーリーも見ないはず」という考え方です。
いずれにしても、健全なコミュニケーションとは言えない行動として認識されています。もし orbiting されてモヤモヤしているなら、相手のフォローを外すか、直接聞いてみるのが一番シンプルな解決策です。
あわせて読みたい言葉
orbiting と近い文脈で使われるスラングやミームを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。
まとめ
orbiting は、直接連絡は絶っているのにSNS上では存在をアピールし続ける、デジタル時代特有の恋愛行動を表すスラングです。
2018年にライターの Anna Iovine が自身の体験をもとに Man Repeller で造語し、主要メディアに取り上げられて広まりました。ghosting とは異なり「完全には消えない」点が特徴で、Instagram のストーリーズ閲覧やいいねなど、SNSの機能と深く結びついた概念です。
SNSで誰かにオービティングされてモヤモヤしたら、この言葉を思い出してみてください。状況を言語化できると、自分の気持ちも整理しやすくなります。

