breadcrumbing とは?「都合よく繋ぎ止める」恋愛スラングの意味・由来・使い方を解説

恋愛スラング

breadcrumbing の意味とは?

breadcrumbing(ブレッドクラミング) は、恋愛において相手への関心を完全に失ったわけではないが、本気で関係を深める気もなく、わずかな好意を匂わせるメッセージだけを断続的に送り続ける行為を指す英語スラングです。

日本語では「キープ」「都合のいい距離でつないでおく」といったニュアンスに近い表現です。

2014年頃にネット上の恋愛用語として登場し、マッチングアプリとSNS時代の不誠実な恋愛行動を指す代表語として、2016〜2017年頃に一気に一般化しました。

breadcrumbing はどんな時に使う?

気まぐれなメッセージだけが続く相手に気づいたとき

週に1回だけ「元気?」「久しぶり」のような軽いメッセージが来るものの、実際に会う約束をしようとすると曖昧にされる、そんな相手に対して breadcrumbing と使います。
具体的な予定の話になると急にフェードアウトされるパターンが典型的です。

マッチングアプリで曖昧な距離感を保たれるとき

Tinder、Bumble、Hinge、Pairs などのマッチングアプリで、やり取りは続くのにデートに進まない、いいねやリアクションだけをちょこちょこ送ってくるような相手を指摘する場面でも多用されます。
online dating 文化と密接に結びついた恋愛スラングです。

恋愛以外の人間関係や職場の文脈でも

breadcrumbing は恋愛文脈が中心ですが、Psychology Today などの解説では、友人関係、家族関係、さらには昇進や昇給を匂わせるだけの職場関係にも拡張して使えると紹介されています。
期待を持たせるだけで実行しない」人間関係全般に当てはめて使える便利な言葉です。

breadcrumbing の元ネタ・由来

童話「ヘンゼルとグレーテル」のパンくずメタファー

breadcrumbing は、グリム兄弟が1812年に『子供と家庭のメルヒェン集』で発表した童話「ヘンゼルとグレーテル」で、主人公たちが森で迷わないようにパンくず(breadcrumbs)を落としながら歩いたエピソードが元ネタです。
転じて、相手に「まだ脈があるかも」と思わせるための最低限のサインを少しずつ落としていく行為を breadcrumbing と呼ぶようになりました。

2014年9月、Urban Dictionary に初登場

恋愛用語としての breadcrumbing が辞書系サイトに初めて登場したのは、2014年9月23日に Urban Dictionary ユーザー Grazzz が投稿した「Bread Crumbing」のエントリーです。
この投稿には「Hansel and Gretelling」という別名も添えられ、「相手が関係を続ける希望を保てる程度にだけ注意を与える行為」と定義されました。

2016年、The New York Times などが恋愛問題行動として紹介

2016年には The New York Times が breadcrumbing をデート文化の問題行動として取り上げ、「実際には相手に惹かれているわけではなく、相手にとって魅力的な存在でいたいだけ」という側面を指摘しました。
この頃から「ghosting(音信不通)」と対比される恋愛用語として英語圏のライフスタイル記事に定着していきます。

2017年〜、ghosting、benching と並ぶミレニアル恋愛用語に

2017年前後には Fox News や New York Post などが ghosting、benching、cloaking、Gatsbying と並べて「ミレニアル世代のデート用語」として特集を組むようになりました。
マッチングアプリ Tinder が2012年にリリースされ、Bumble(2014年)、Hinge のリニューアル(2015年)と続いた「スワイプ文化」の定着と並行して、breadcrumbing は世代共通の経験として広く共有される概念になります。

2020年、学術研究の対象に

2020年、Olivas らによる研究論文「Ghosting and breadcrumbing: prevalence and association with online dating behavior among young adults」が発表され、さらに Rodríguez-García らが BREAD-ASR(Breadcrumbing in Affective-Sexual Relationships)という測定尺度を開発しました。
breadcrumbing は単なるネットスラングを超え、心理学・社会学の研究対象としての地位を獲得しています。

2023〜2024年、TikTokと臨床心理系メディアで再燃

2023年12月には CNN Health が臨床心理士 Dr. Monica Vermani のコメントとともに breadcrumbing の長期的な精神的影響を特集し、2024年1月にも Indy100 や LAD Bible が Dr. Cortney Warren の警告を引用して取り上げました。
TikTok でも臨床心理クリエイターによる解説動画が拡散し、過去1年間で30%以上が breadcrumbing を経験したとする調査結果も話題になっています。

例文・使い方

I think he’s breadcrumbing me. He texts once a week but never wants to meet up.
→ 彼、私に breadcrumbing してると思う。週に1回はメッセージくれるけど、会おうとは絶対しないの。
He’s such a breadcrumber, only messages me when he’s lonely.
→ あいつ完全に breadcrumber、寂しい時にしか連絡してこない。
Realized my boss has been breadcrumbing me about the promotion for six months.
→ 上司が昇進の話で6か月も breadcrumbing してきてたことに気づいた。

breadcrumbing は悪い意味?ポジティブな意味?

breadcrumbing は、ほぼ完全にネガティブな意味で使われる言葉です。

相手を都合よく繋ぎ止めておくための不誠実な行為として批判的に語られ、感情的な操作(emotional manipulation)の一種と見なされています。
Cleveland Clinic は、breadcrumbing される側は混乱、怒り、自己不信、不安、孤独感、不適格感、羞恥心といった症状を抱えやすいと警告しています。

脳科学的には、breadcrumbing は「不定期に与えられる報酬」によって依存症的に相手から離れられなくなる構造が指摘されており、Psychology Today は社会的拒絶が脳内で物理的な痛みと似た回路を活性化させると説明しています。
SNSでこの言葉を使う時は、相手の不誠実さを指摘したり、自分がそうされていることに気づいた時の警告として使う文脈がほとんどです。

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まとめ

breadcrumbing は、相手に最低限の関心だけを示して都合よく繋ぎ止める不誠実な恋愛行動を指す英語スラングで、2014年の Urban Dictionary 登場から約10年の間に、ネットスラングから心理学の研究対象にまで昇格した言葉です。

マッチングアプリとSNSによって「いつでも誰かにメッセージを送れる」環境が整った時代ならではの問題として、多くの人が共感する言葉として定着しています。

もし「これ breadcrumbing されてる?」と感じたら、名前をつけて距離を置くだけでも、モヤモヤがだいぶ整理しやすくなるはずです。

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