daddy の意味とは?イケオジ?恋愛から推し活まで使われる英語スラングの使い方を解説

daddy の意味とは?イケオジ?恋愛から推し活まで使われる英語スラングの使い方を解説 恋愛スラング

daddy の意味とは?

daddy は本来「お父さん」を意味する英語ですが、スラングとしては魅力的で頼りがいのある(多くの場合年上の)男性を指す褒め言葉として使われます。日本語だと「イケオジ」に近いです。

恋愛の文脈ではパートナーへの愛称として、SNSや推し活では憧れの対象となる男性セレブやキャラクターへの賛辞として、さらにはユーモアやミームとしても幅広く使われます。

ここで重要なのは、daddy は単に「性的に魅力的な男性」だけを意味するわけではないということです。「守ってくれそう」「包容力がある」「カリスマ性がある」「大人の余裕がある」、こうした「頼りがいのある男性像」への称賛を込めた言葉であり、必ずしも性的なニュアンスだけではありません。ただし、文脈によっては明確に性的な意味を持つこともあるため、使う場面には注意が必要です。

daddy はどんな時に使う?

推し活・ファンダムでの使い方

最も一般的な現代の使い方です。年上の魅力的な男性セレブ、俳優、キャラクターに対して「daddy」と呼びます。

たとえば、ペドロ・パスカルは「Internet’s Daddy(インターネットのダディ)」と呼ばれる代表的な存在です。『The Last of Us』『マンダロリアン』などの父性的な役柄と、インタビューでのチャーミングな人柄が相まって、ファンから daddy と称されるようになりました。

SNSのコメント欄で「He’s such a daddy」「Daddy material」と書かれている場合、多くの場合は「魅力的で頼りがいのある大人の男性」という意味の賛辞です。

恋愛関係での愛称として

パートナーに対して「daddy」と呼ぶ使い方もあります。この場合は「頼りになる」「守ってくれる」という意味を込めた愛称ですが、親密な関係の中で性的なニュアンスを伴うことも多いです。BDSM の文脈では、支配的な役割を持つパートナーdaddy と呼ぶ用法があります。

ユーモア・ミームとして

意外な対象に対して冗談めかして daddy と呼ぶ使い方もあります。アニメキャラクター、ゲームキャラクター、さらには無機物に対してまで「daddy」と言って笑いを取るスタイルは、SNSミーム文化の一部です。

daddy の元ネタ・由来

最古の記録:1621年

daddy が家族関係以外の意味で使われた最古の記録は、驚くことに1621年まで遡ります。この時代、イギリスでは性労働者が自分のヒモ(pimp)を daddy と呼んでいた記録が残っています。つまり、daddy のスラング用法は400年以上の歴史を持つのです。

1920年代:ブルース音楽と sugar daddy

1920年代、アメリカのブルースやジャズの音楽シーンで daddy「恋人」「年上の男性パートナー」を指す言葉として広く使われるようになりました。

1920年の Aileen Stanley の楽曲「I Wonder Where My Sweet, Sweet Daddy’s Gone」、1922年の Lavinia Turner の「How Can I Be Your ‘Sweet Mama’ When You’re ‘Daddy’ to Someone Else?」など、ブルース楽曲には daddy を恋愛の文脈で使った例が数多く残っています。

この時期に登場した最も影響力のある表現が sugar daddy です。1923年、ニューヨークの「Broadway Butterfly」ことDot King が殺害された事件の報道で、彼女がパトロンの男性を「heavy sugar daddy」と呼んでいた手紙が公開され、この言葉が一気に広まりました。sugar daddy は「若いパートナーに金銭的支援をする年上の男性」を意味する言葉として定着しました。

1970年代:ゲイ文化と leather daddy

1970年代、ゲイコミュニティのレザーサブカルチャーの中で leather daddy という表現が生まれました。これはレザーを身にまとい、支配的な役割を担う年上の男性を指す言葉で、BDSM文化と結びついています。1975年創刊の雑誌『Drummer』などを通じて広まり、daddy に「支配力」「権威」のニュアンスが加わる契機となりました。

1990年代:ヒップホップと pimp daddy

1990年代のヒップホップ文化では、pimp daddy という表現が流行しました。金銭的に成功し、複数の女性と関係を持つ男性像を指す言葉で、ヒップホップの「pimp culture」と結びつきました。

2010年代:SNSと推し活への浸透

daddy がスラングとして現在の形に到達したのは、2010年代のSNSの普及によってです。

ティーンエイジャーを中心に、男性セレブのルックスやカリスマ性を称賛する言葉として daddy が使われ始めました。日本のオタク文化における「推し」や「waifu」と似た感覚で、手の届かない憧れの対象への賛辞として機能しています。

ペドロ・パスカル「Internet’s Daddy」

daddy スラングの2020年代を象徴する存在が、俳優のペドロ・パスカルです。

2022年4月、Vanity Fair の人気企画「嘘発見器テスト」でパスカル自身が冗談で自分を「daddy」と呼んだことがきっかけで、ファンダムでの daddy 呼びが加速しました。『The Last of Us』のジョエル、『マンダロリアン』のディン・ジャリンなど、父性的な役柄を多く演じていることも「Internet’s Daddy」というイメージの定着に寄与しています。

ただし、この「daddy」呼びの過熱に対しては、パスカル自身のラテン系としてのアイデンティティが「エキゾチックな年上男性」というステレオタイプに還元されてしまうのではないか、という批判的な議論も存在します。

daddy の派生表現

zaddy

zaddy は daddy の派生語で、特にスタイリッシュでファッショナブルな魅力的男性を指します。2016年のTy Dolla $ign の楽曲「Zaddy」が語源。daddy が「頼りがい」を強調するのに対し、zaddy は外見的な洗練さを強調します。ペドロ・パスカル、ジェフ・ゴールドブラム、ジェイソン・モモアなどが zaddy と呼ばれる代表例です。

mommy / mother

daddy の女性版。魅力的で力強い女性セレブやキャラクターに対して使われます。「She’s mother」「That’s giving mommy」のように、daddy と同じく賛辞として機能。レディー・ガガ、ケイト・ブランシェット、カティ・ペリーなどが mommy / mother と呼ばれることがあります。

DILF

Dad I’d Like to F*(性的に魅力的な父親)** の略。daddy よりも直接的に性的なニュアンスを持つ表現で、MILF の男性版にあたります。

papi

スペイン語で「daddy」に相当する言葉。英語圏でも恋愛やヒップホップの文脈で使われます。ドレイクの「Champagne Papi」やジェニファー・ロペスの「Papi」など、楽曲でもよく登場します。

例文・使い方

Pedro Pascal is such a daddy. I love him!
→ ペドロ・パスカルって本当にdaddyだよね。大好き!
That actor is giving serious zaddy energy in this movie.
→ あの俳優、この映画でかなり zaddy なオーラ出してる
Everyone on Twitter is calling that character daddy now.
→ Twitterでみんながあのキャラクターをdaddyって呼んでるよ。

daddy は悪い意味?ポジティブな意味?

daddy は基本的にポジティブな意味で使われますが、文脈によってニュアンスが大きく変わります。

推し活やファンダムで使う場合純粋な賛辞や尊敬の意。「魅力的」「頼りがいがある」「カリスマ性がある」という意味で、ポジティブに受け取られます。
恋愛・親密な関係で使う場合愛称として使われますが、性的なニュアンスを含むことが多いです。相手との関係性や合意が前提。
冗談・ミームとして使う場合ユーモアの表現ですが、相手との関係性によっては不快に思われることも。

また、daddy というスラング自体に対して不快感を表明する人も少なくありません。「お父さん」という家族の言葉を性的な文脈で使うことへの抵抗感や、「同じ世代がコンセントや反性暴力を重視しながら、daddy を性的スラングとして使うのは矛盾していないか」という議論もSNS上で繰り返されています。

TPO をわきまえた使い方が大切です。

あわせて読みたい言葉

daddy と近い文脈で使われるスラングやミームを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。

まとめ

daddy は「お父さん」という本来の意味から発展し、400年以上の歴史を経て、現代では魅力的な年上男性への賛辞として使われるスラングです。

1620年代のイギリス → 1920年代のブルース音楽と sugar daddy → 1970年代のゲイ文化 → 1990年代のヒップホップ → 2010年代のSNS推し活と、時代ごとに意味を変えながら生き続けてきた、英語スラングの中でも特に長い歴史を持つ言葉です。

ペドロ・パスカルを「Internet’s Daddy」と呼ぶ現代のファン文化は、この400年の系譜の最新章にあたります。

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