let him cook の意味とは?
let him cook とは、今は口を出さず、その人のやり方に任せて結果を見守ろう、という意味で使われる英語スラングです。
直訳すると「彼に料理させろ」ですが、ネットでは「まだ途中だから邪魔するな」「今は好きにやらせてみよう」「この人のペースでやらせてみれば、きっとすごいことになる」といったニュアンスで使われます。
応援・期待の意味で使われることが多いですが、皮肉やジョークとして「明らかにダメなのに、あえて見守る」という使い方も広まっています。
let him cook はどんな時に使う?
本気の応援として
誰かが大胆な行動や独自のアプローチをとっている時に、「まだ判断するのは早い、最後まで見守ろう」という意味で使います。
たとえば、試合中に攻撃的なプレーを続けている選手、まだ完成していない作品の制作過程、奇抜なアイデアを押し通している人に対して「Let him cook」とコメントします。
皮肉・ジョークとして
明らかにうまくいかなそうなことをしている人に対して、あえて「Let him cook」と言って笑いにする使い方も非常に多いです。
たとえば、口説き方が下手な人の動画に「Let him cook…(まあ、見守ってやろうか…)」とコメントしたり、料理が壊滅的に下手な人の動画に使ったりするパターンです。
「who let him cook?」— 結果が悪かった時
cook した結果がひどかった場合、「Who let him cook?(誰がこいつに料理させたんだ?)」と突っ込む使い方もあります。これは「任せた結果がこれかよ」という意味の皮肉で、Let him cook の対になるフレーズです。
恋愛・ナンパの文脈
「cooking」は恋愛やナンパの文脈でも使われます。誰かが口説きに全力を出している場面で「Let him cook(邪魔するな、今いいところだ)」と使ったり、逆に明らかに滑っているのに「Let him cook…」と茶化したりします。
2022年に大きくバズったのは、NBAの試合を観戦中に妻の隣で別の女性にテキストメッセージを送っている男性の写真に「let him cook」とコメントがついたツイートです。このツイートは3万以上のいいねを集め、恋愛文脈での let him cook の使い方を定着させました。
let him cook の元ネタ・由来
Lil B の「cooking」(2010年)
let him cook の起源は、サンフランシスコ・ベイエリア出身のラッパー Lil B(リル・ビー、本名 Brandon McCartney) です。
2010年7月、Lil B は YouTube に「cooking」の概念を説明する動画を投稿しました。その中で「to cook is to take your time and care(cook するとは、時間をかけて丁寧にやること)」「let that boy cook basically means to let someone do their thing(let that boy cook は、誰かに自分のやり方でやらせるということ)」と説明しています。この動画は280万回以上再生されています。
同時期に、Lil B の楽曲に合わせて料理をするようなダンスを踊る「cooking dance」がSNSで広まり、「cooking = 自分のスタイルで何かをやり遂げる」というメタファーが定着しました。
James Harden の cooking celebration と Lil B の呪い
2010年代半ば、NBAスターの James Harden(ジェームズ・ハーデン) が試合中に鍋をかき混ぜる仕草の「cooking celebration」をパフォーマンスに取り入れました。
これに対し、Lil B は「自分の cooking dance を盗んだ」と主張し、ハーデンに「呪い」をかけると宣言。TMZ が追跡取材を行い、実際にハーデンはその後のプレーオフで不調に陥ったことから、「Lil B の呪い」はスポーツファンの間でも話題になりました。
以前には Kevin Durant に対しても同様の呪いをかけており、ディストラック「F*** KD」を発表するなど、Lil B と NBA の「cooking」をめぐる因縁はミーム文化の一部になっています。
「Let Russ Cook」— NFL への拡大(2019〜2022年)
let him cook が次に大きく注目されたのは、NFL(アメリカンフットボール) の文脈です。
シアトル・シーホークスのクォーターバック Russell Wilson(ラッセル・ウィルソン) のファンが、「もっとウィルソンに自由にプレーさせろ」という意味で 「Let Russ Cook」 というフレーズを使い始めました。最初の使用は2019年のツイートとされ、2020年のシーズンには公式の応援スローガンのような存在に。ウィルソン自身もこのフレーズを商標登録しています。
しかし、2022年にウィルソンがデンバー・ブロンコスに移籍し、パフォーマンスが低下すると、「Let Russ Cook」は皮肉の意味で使われるようになりました。まずい料理の写真と一緒に「Let Russ Cook」と投稿するミームが大量に生まれ、let him cook が「応援」と「皮肉」の両方で使われるフレーズとして定着する転機となりました。
Min Woo Lee — ゴルフ界への浸透(2023年)
2023年には、オーストラリアのプロゴルファー Min Woo Lee(ミン・ウー・リー) がSNSで「Let him cook」を使ったことがバイラルに。ファンが「Let him cook」Tシャツを着て試合に来るようになり、Lee 自身もシェフハットをかぶって応えるなど、スポーツとミームの融合が象徴的な形で実現しました。
Woody ミーム — ビジュアルの定番
let him cook のビジュアルとして最も有名なのが、ゲーム『キングダムハーツ3』のシーンから生まれた Woody(ウッディ)のミーム です。トイ・ストーリーのウッディがソラを抑えながら「Hollup, let him cook(待て、あいつに料理させろ)」と言っている画像で、「ちょっと待って、今いいところだから邪魔するな」という場面で広く使われています。
派生表現
let him cook からは複数の派生表現が生まれています。
例文・使い方
let him cook は悪い意味?ポジティブな意味?
let him cook は、基本的にはポジティブ寄りの表現です。
誰かの行動やアイデアに対して「まだ評価するのは早い」「最後までやらせてみよう」という意味で使われ、期待や応援のニュアンスを含みます。
ただし、ネットでは皮肉やジョークとして使われるケースも非常に多いです。明らかにうまくいかなそうなことをしている人に対して、あえて「Let him cook」と言って笑いにしたり、結果が散々だった後に「Who let him cook?」と突っ込んだりする使い方です。
Russell Wilson の「Let Russ Cook」のように、もともと応援として使われていたフレーズが、結果によって皮肉に転じるケースもあり、文脈を読むことが重要です。
あわせて読みたい言葉
let him cook と近い文脈で使われるスラングを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。
まとめ
let him cook は、「今は口を出さず、その人のやり方に任せて見守ろう」という意味の英語スラングです。
2010年にラッパー Lil B が YouTube で「cooking」のメタファーを生み出し、NBA の James Harden、NFL の Russell Wilson、ゴルフの Min Woo Lee といったスポーツ選手を経由してメインストリームに浸透しました。現在では応援・期待・皮肉・ネタのすべてで使える万能フレーズとして、SNSやコメント欄で日常的に見かけます。
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