cap とは?「それは嘘」を表す英語スラングの意味・使い方・由来を解説

cap とは?「それは嘘」を表す英語スラングの意味・使い方・由来を解説 ネット用語

cap の意味とは?

cap は、「嘘」「話を盛っていること」「大げさな主張」を意味する英語スラングです。
日本語だと「嘘乙」「嘘松」に近いニュアンスです。

AAVE(アフリカ系アメリカ人の口語英語)を起源とし、ヒップホップ文化を経て2010年代後半にSNS全体へ広まりました。
現在はX(旧:Twitter)・TikTok・Instagramのコメント欄で「それは信じない」「話が大きすぎる」と短くツッコむリアクションとして定着しています。

cap はどんな時に使う?

「それは嘘でしょ」と切り返すとき

cap の最も典型的な使い方は、相手の発言を「信じていない」と示す一言としての用法です。
自慢話が明らかに盛られているとき、ありえなさそうな報告を見たとき、大げさな主張に対して「That’s cap.(それは嘘だ)」と短く返します。
長く反論するのではなく、一言で「さすがにそれはないでしょ」と切り返すニュアンスが強く、コメント欄やリプライで一言だけ投げる使い方が定番です。

「盛ってる・大げさ」を指摘するとき

cap は完全な作り話だけでなく、「話を盛っている」「誇張している」という状況にも使われます。
「Stop capping.(盛るのやめてよ)」「You’re capping.(盛ってるでしょ)」のように動詞・進行形でも使え、「嘘をついている」というより「大げさに言いすぎ」というニュアンスが出ます。
友人同士でいじり合う文脈では、強い告発ではなくライトな「ないない」の感覚で使われることも多いです。

「no cap(マジで)」の対義語として

cap は no cap(嘘じゃない・マジで) の反対として機能します。
「No cap, this is the best ramen I’ve ever had.(マジでこれ今まで食べた中で一番うまいラーメン)」と言えば強調の表現になり、そこに「That’s cap.(それは盛りすぎ)」と返すのがセットの使い方です。
no cap と cap はセットで覚えると、どちらのニュアンスもより正確に理解できます。

🧢 絵文字で使うとき

X(旧:Twitter)やTikTokのコメント欄では、cap の代わりに野球帽の絵文字 🧢 を使うことがあります。
「That’s 🧢」「This is all 🧢」のように絵文字一個で「それは嘘だ」「全部盛りだ」という意味になり、言葉を使わずにツッコむミニマルな表現として定着しています。

cap の元ネタ・由来

16世紀の言葉遊びが起源

cap という語の「嘘・誇張」という意味は、意外にも16世紀のイギリスにまで遡ります。
当時、詩や逸話の締めを一方が言い、もう一方がより良い締めでそれを「超える(cap する)」という言葉遊びが行われており、「相手の発言を大げさに上回る」行為が cap と呼ばれていました。

1800年代には「より面白い冗談で競い合う」という意味で使われ、この「誇張で相手を超えようとする」行為が、のちの「cap=盛る・嘘をつく」という意味の土台になっています。

AAVE・「The Dozens」での定着(1900年代〜1960年代)

20世紀に入ると、cap はアフリカ系アメリカ人のコミュニティで独自の意味を持つようになります。
The Dozens(ザ・ダズンズ)」と呼ばれる黒人文化の言葉遊びの中で、相手を機知に富んだ誇張や侮辱で上回る行為を「capping」と呼んでいました。
Yo Mama ジョーク」をより激しくしたような、互いに過剰な誇張で張り合うゲームです。
「誇張で張り合う」という capping の性質が転じて、「大げさなことを言う=cap(嘘をつく)」という意味が定着。

1940年代の Green’s Dictionary of Slang には「to cap=超える・誇張する」という記述が残っており、1960年代の記録では capping が「儀式的な言葉による侮辱のやり取り」として記されています。

ヒップホップへの浸透(1980年代〜1990年代)

cap・capping というAAVEの語彙は、1980年代以降のヒップホップ文化を通じて音楽の世界に入り込みます。
カリフォルニアのラッパー Too Short が1985年のEPで初めて capping を歌詞に使用したのが、ヒップホップにおける最古の記録のひとつとされています。
1989年にはヒューストンのグループ Geto Boys のラッパー Willie D が「high cappin’(大げさに盛ること・虚勢を張ること)」という表現を楽曲の中で使用。
その後も Too Short・UGK など南部ヒップホップのアーティストを中心に、cap・capping という表現が歌詞に繰り返し登場するようになりました。

アトランタのトラップが「no cap」を広める(2010年代)

現代の「cap=嘘」という用法を決定的にメインストリームへ押し上げたのが、2010年代のアトランタ発トラップミュージックです。
Migos と 2 Chainz の楽曲「Deadz」の中で Migos のラッパー Offset が「no for real, no cap(マジで、嘘じゃない)」と歌い、cap というスラングをSNS世代に広く認知させました。
2017年には Future と Young Thug が「No Cap」という楽曲をリリース。
これがX(旧:Twitter)での no cap・cap というスラングの爆発的な普及のきっかけになり、Urban Dictionary への no cap の初掲載もこの翌年の2018年です。

SNSと🧢絵文字でさらに拡散(2018年〜現在)

2018年ごろからX(旧:Twitter)・TikTok・Instagramのコメント欄で cap という一語のリアクションが広まります。
同時期に、野球帽の絵文字 🧢 が「cap(嘘)」のビジュアル表現として使われるようになり、絵文字一個でツッコむスタイルが若者の間で定着しました。
現在では Gen Z・Gen Alpha を問わず広く使われており、ヒップホップを聴かない層にも「嘘・盛り」を意味する語として浸透しています。

例文・使い方

That’s cap.
→ それは嘘だよ。
He said he finished already, but that’s cap.
→ 彼はもう終わったって言ってたけど、それは絶対嘘だ。
You did not meet her backstage. Stop capping.
→ バックステージで彼女に会ったとか、さすがに盛ってるでしょ。やめてよ。

cap は悪い意味?ポジティブな意味?

cap は基本的にネガティブ寄りのスラングです。
相手の発言を「嘘だ」「大げさだ」と否定する言葉なので、ポジティブな表現ではありません。

ただし、使われる文脈によってトーンに大きな幅があります。
親しい友人同士であれば「盛ってるでしょ」という軽いいじりとして機能し、冗談っぽいやり取りの中では険悪にならずに使われます。
一方、初対面の相手や目上の人に対して「That’s cap.」と言うのは、失礼・けんか腰に聞こえる可能性があるため注意が必要です。

また、cap は AAVE・ヒップホップ文化から来た言葉であり、その文化的背景への理解や敬意なく使うことへの批判的な視点も存在します。 言葉の出自を知った上で使うことが大切です。

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まとめ

cap は「嘘・誇張・話を盛ること」を意味するスラングで、16世紀の言葉遊びを起源とし、AAVE・「The Dozens」・ヒップホップ文化を経て2010年代のSNS時代に一気に広まりました。

現在はX(旧:Twitter)・TikTokのコメント欄で「それは嘘でしょ」と一言切り返す定番リアクションとして、🧢絵文字とともに若者に広く使われています。

no cap とセットで覚えておくと英語圏のSNSがぐっと読みやすくなる、現代ネット英語の基本語彙のひとつです。

スラングを理解することで、海外のSNSや楽曲がもっと楽しめるようになりますよ。

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