Poser ってどんな人?にわか・イナゴを表す英語スラングの意味・由来・使い方を解説

Poser ってどんな人?にわか・イナゴを表す英語スラングの意味・由来・使い方を解説 スラング

Poser の意味とは?

Poser(ポーザー)とは、「ある文化やコミュニティに属しているふりをする偽物・にわか」を指す批判的なスラングです。見た目やファッションだけ真似しているのに、その文化の本質・価値観・歴史を理解していない人を指します。

スケートボード・パンクロック・ヘビーメタルといったストリートカルチャーから生まれた言葉ですが、現在はアニメ・ゲーム・マンガ・コミックなどのオタク・geek カルチャー全般にも広く使われています。

日本語の「にわか」「なんちゃって〇〇」「エセ〇〇」に近いニュアンスで、相手を見下す強い侮辱語です。フランス語の「poseur(ポズール)」が語源で、英語圏では「poser」と「poseur」どちらの表記も使われます。

Poser はどんな時に使う?

スケートボード・サーフィンのコミュニティで

「スケートブランドの服を全身着ているのにオーリーすらできない人」poser の代名詞的な存在です。New York Times の2007年スケートボード特集では、「スケートボードをアクセサリーとして持ち歩き、”mall grab(モールグラブ:実際のスケーターはしない持ち方)”でボードを持って歩いているとして poser と切り捨てられる人がいる」と報じています。1988年のビデオゲーム「Skate or Die!」では初心者レベルのライバルキャラクターの名前が「Poseur Pete」で、当時からスケート文化にこのスラングが根付いていたことがわかります。

パンク・ヘビーメタル・ゴスのシーンで

1970〜80年代のパンクシーンでは、本当の反骨精神を持たずに外見だけパンクを真似する人poser と呼ばれました。音楽ライターの David Marsh は「ロンドン最初期のパンクキッズたちが取り巻き連中を見下すのに使った好きな侮辱語は poseurs だった」と記録しています。
ヘビーメタルシーンでは「authentic metalhead(本物のメタルヘッド)か poser か」という二分法が文化の一部となっており、ゴスシーンでも Nancy Kilpatrick の著書 Goth Bible では、ゴスの美学を真似しつつも音楽・哲学的な理解がない人を「batbabies(コウモリの赤ちゃん)」と揶揄しながら poser と呼んでいます。

アニメ・マンガ・ゲームのオタク文化で

アニメやゲームが世界的にメインストリーム化した2010年代以降、オタクカルチャーにおける poser 問題も大きな議論になりました。「バンドTシャツを着ているのに曲を1曲も知らない」と同じ構図で、「進撃の巨人のTシャツを着ているのにアニメしか見たことがない」「Naruto のコスプレをしているのに原作を読んだことがない」といった状況が poser と呼ばれます。2018年に Kim Kardashian がアニメ好きを公言した際、一部のファンが「MyAnimeListのプロフィールを見せろ、そうじゃなければ信じない」と反発したことが広く報じられ、アニメコミュニティのgatekeeping問題として話題になりました。

「fake geek girl(フェイクギークガール)」問題として

2010年代のオタク・geek 文化で特に議論になったのが、女性ファンへの poser 認定です。2011年の「Idiot Nerd Girl」ミームや、2012年の Joe Peacock による CNN.com への投稿を発端に、「ゲームやアニメを好きだと言う女性はコスプレ目的の poser だ」という主張がネット上で拡散しました。しかし批評家たちはこれを「geek カルチャーに昔からある性差別・gatekeeping であり、女性は男性より高い基準で”本物認定”を求められている」と強く批判しました。「コスプレをしていること自体が poser の証拠にはならない」「誰がファンかを決める権限は誰にもない」という反論が広まり、現在では「fake geek girl」という言葉そのものへの批判が主流です。

Poser の元ネタ・由来

語源:フランス語「poseur」の英語への流入(1866年〜)

英語の poseur はフランス語の「poseur」から1866年に借用された言葉で、「気取った態度をとる人」という意味を持っていました。フランス語の poseur 自体は動詞 poser(置く・ポーズをとる)に由来しています。この言葉はある意味で「英語の語をフランス語風に着飾ったもの」であり、それ自体が一種の気取りとも言えます。

パンクシーンでの爆発的使用(1970年代後半〜)

poseur・poser が現在の意味で広く使われ始めたのは1970年代後半のパンクロックシーンです。X-Ray Spex の楽曲「I Am a Poseur」(1978年)では「I am a poseur and I don’t care / I like to make people stare(私は poser、そんなことどうでもいい / 人を見つめさせるのが好きなんだから)」という歌詞であえてこのレッテルを自認して皮肉化しました。Television Personalities の「Part-Time Punks」も同時期にパンクの「本物かどうか」という概念への皮肉を歌っています。

スケートボード・ハードコアパンクでの定着(1980年代)

1980年代に入るとスケートボードカルチャーとハードコアパンクシーンを中心に poser という表記が定着しました。ハードコアパンクバンド MDC は「Poseur Punk」という楽曲でパンクの外見だけ真似た偽物たちを激しく批判し、ヘビーメタルシーンでも「hair metal(ヘアメタル)」ファンをハードコアなメタルファンが poser と呼ぶサブジャンル間の真正性論争が繰り広げられました。1986年にはSPIN誌が「poseur metal」という言葉を使っています。Merriam-Websterによると poser という表記はこの時代のティーンスラングとして一気に普及しており、今日では poseur より圧倒的に一般的です。

geek カルチャーへの拡張とオンライン化(2000〜2010年代〜)

2000年代以降、アニメ・マンガ・ゲーム・コミックがメインストリーム化するにつれ、poser という概念は オタクカルチャーにも広く浸透しました。かつてオタク趣味は社会的に「ダサい」とされていたため、そこに参入するのは本当に好きな人だけでしたが、Marvel 映画やNetflixアニメの普及で「ライトなファン」が急増し、「本物のファンかどうか」という議論が活発化しました。
2010年頃の「Idiot Nerd Girl」ミームや2012年の「fake geek girl」論争はその典型で、女性・有名人・新参者がコミュニティに入ってくることへの反発として poser 認定が多発しました。現在はこうした排他的なgateekeepingへの批判も強く、「誰でも好きなものが好きでいい」という方向にコミュニティの空気は変わりつつあります。

例文・使い方

He’s such a poser. He wears all the skate brands but can’t even ollie.
→ 彼は本当にポーザーだよ。スケートブランドを全身着てるけど、オーリーすらできないんだから
She calls herself a metalhead but only knows one Metallica song. Total poser.
→ 彼女は自分をメタルヘッドって言ってるけど、メタリカの曲1曲しか知らない。完全ににわかだよ
A: She said she loves anime but couldn’t name a single character.
B: Classic poser.
→ A:アニメが大好きって言ってたけど、キャラの名前ひとつも言えなかったよ。
B:典型的なポーザーだな

Poser は悪い意味?ポジティブな意味?

poser明確にネガティブな侮辱語です。「偽物」「見せかけだけ」「外側だけ真似た人」という批判であり、呼ばれた側は強く傷つく表現です。

ただし、poser というレッテルを貼る側の gatekeeping(新参者の排除)という問題も根強く指摘されています。X-Ray Spex が「I am a poseur and I don’t care」と歌ったように、このレッテルへの皮肉化・抵抗の動きも生まれてきました。

アニメ・geek カルチャーでは「fake geek girl」問題に見られるように、女性や有名人・新参者への poser 認定が性差別的・排他的に機能してきたことへの批判も強まっています。「みんな最初はビギナーだし、どこかで線を引いて排除するのはコミュニティにとっても良くない」という意見も広まっており、poser という言葉は「本物性とは何か」「誰がそれを決めるのか」という問いを常に内包した複雑な言葉です。

あわせて読みたい言葉

Poser と近い文脈で使われるスラングやミームを見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。

まとめ

poser は「見た目だけ真似してその文化の本質を理解していない偽物・にわか」を指す批判的なスラングです。

スケートボード・パンクシーンで広まり、現在はアニメ・ゲーム・geek カルチャー全般にも使われています。強い侮辱語である一方、誰を poser と呼ぶかを決める gatekeeping の問題——特に女性や新参者への不当な排除——への批判も根強く、「本物のファンとは何か、それを誰が決めるのか」という問いを内包した言葉でもあります。

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