canon とは?「公式設定・正史」を表すネット用語の使い方を解説

canon とは?「公式設定・正史」を表すネット用語の使い方を解説 ネット用語

canon の意味とは?

canon(カノン) は、「作品・シリーズの中で公式設定として認められている内容」を指すファンダム用語です。日本語では「正史」「公式設定」「本編で確定している内容」のようなニュアンスに近いです。

アニメ・ゲーム・映画・漫画・小説などの作品を語る時に「これは canon か non-canon か」という形で使われ、どこまでが公式で、どこからがファンの解釈・二次創作かを区別する重要な言葉です。特に大きなフランチャイズ(スターウォーズ・スタートレック・マーベルなど)では、映画・ドラマ・小説・ゲームなどメディアが多岐にわたるため「どれが canon か」という議論が常に存在します。

また「canon couple(公式カップル)」「canon ship(公式カップリング)」のように二次創作・シップ文化でも頻繁に使われ、「公式が認めた恋愛関係かどうか」を区別する際に欠かせない言葉になっています。

canon はどんな時に使う?

設定・出来事が「公式かどうか」を確認する時

「Is that scene actually canon?(あのシーン、本当に公式なの?)」「That’s not canon(それは正史じゃない)」のように、本編・公式資料に含まれているかどうかを確認・指摘する際に使います。映画・アニメ・ゲームなど複数のメディアで展開するフランチャイズでは、「どのメディアが canon か」という基準の違いがしばしば議論になります。

カップリング・関係性が「公式かどうか」を語る時

「Are they canon?(あの二人って公式なの?)」「They finally became canon!(あのカップルついに公式になった!)」のように、キャラクター同士の恋愛関係や友情関係が本編で確定したかどうかを語る文脈でよく使われます。二次創作・シップ文化では「canon ship」と「fanon ship(ファンが作ったカップリング)」を区別するために必須の言葉です。

ファンダム内の半ネタ・誇張として

「This moment is basically canon now(あの瞬間はもう実質公式みたいなもの)」のように、厳密には公式設定ではないのにファンダム内で共通認識・既成事実化しているものを指して「canon みたいなもの」と使うこともあります。この用法では「公式設定として認定された」というより「もうそういうことで話が進んでいる」という温度感です。

canon の元ネタ・由来

語源:聖書の「正典」(Biblical canon)

canon という言葉はキリスト教神学の概念「Biblical canon(聖書正典)」に由来します。「正式に神の言葉として認められた書物の集まり」を指す言葉で、認められなかった外典・偽典は「Apocrypha(アポクリファ)」と呼ばれました。この「公式に認められた本流の内容 vs. 認められない外部の内容」という対比の構造が、そのままフィクション世界に持ち込まれています。

シャーロックホームズ研究への最初の転用(1911年〜)

canon という言葉がフィクションに初めて転用されたのはシャーロックホームズファンダムです。
牧師 Ronald Knox が1911年に発表したエッセイ「Studies in the Literature of Sherlock Holmes」で、Arthur Conan Doyle が書いたオリジナル作品と他の作者による後続作品を区別するために「canon」という言葉を使いました(ただし Knox 自身は聖書批評のパロディとして使ったとされており、ファンが本気で採用した面があります)。
1934年に Christopher Morley が「the canon」という表現でホームズ作品全体を指すようになり、以後この用法が定着しました。

スタートレック・スターウォーズでの確立(1980年代〜)

フランチャイズ作品における canon の概念が本格的に議論されるようになったのは、1980年代以降にスタートレック・スターウォーズが巨大なフランチャイズへと成長してからです。
スタートレックが1980年代に成長するにつれてファンは膨大なエピソード・映画・小説・コミックの「どれが公式設定か」を整理する必要に迫られました。
スターウォーズでは George Lucas 時代に「G-canon(ルーカス自身の作品)」から「C-canon(ライセンス作品)」まで複数の階層が設けられ、Lucasfilm の Leland Chee が「Holocron」というデータベースで管理していました。
2014年にはディズニーによるスターウォーズ買収後、それまでの「Expanded Universe(拡張宇宙)」が non-canonical な「Legends」に分類されるという大規模な canon 再編が行われ、世界中のファンの間で大きな議論を呼びました。

インターネット・ファンダム文化への浸透(1990年代〜現在)

1990年代のインターネット普及とともに、canon という言葉はスタートレックやスターウォーズの枠を超えてあらゆるファンダムに広まりました。最初期のスタートレック同人誌(fanzine)コミュニティで既に canon という概念をめぐる議論が活発だったことが記録されています。AO3・Tumblr・Twitter の二次創作文化と結びつく中で、canon は現代ファンダムの最も基本的な語彙のひとつとして完全に定着しています。

例文・使い方

That scene is canon.
→ あのシーンは公式設定だ。
Is this relationship actually canon?
→ この関係って本当に公式なの?
A: Do you think they’ll make it canon?
B: It practically already is. The writers keep hinting at it.
→ A:あの二人を公式にすると思う?
B:もう実質的になってるよ。ライターが何度も示唆してる

canon は悪い意味?ポジティブな意味?

canon は、文脈によって中立に使われることが多いです。
基本的には、作品やシリーズの中で公式設定として認められているかどうかを表す言葉なので、それ自体に良い・悪いの意味はあまりありません。

ただし、SNSでは厳密な設定の話だけでなく、「もうこれは canon だろ」のように、半分ネタとして軽く使われることもあります。
そのため、かたい考察にも、ファンダム内の冗談にも対応できる便利な言葉です。

あわせて読みたい言葉

canon と近い文脈で使われる言葉を見ておくと、ニュアンスの違いがわかりやすくなります。

まとめ

canon は、作品やシリーズの中で「公式設定として認められている」ことを指す言葉です。
物語の正史、公式扱いの出来事、ファンダムで共有される設定の基準を語る時によく使われます。現在はアニメ・ゲーム・漫画など日本語圏のファンダムでも「公式 vs. 非公式」を区別する最も重要な言葉のひとつです。
headcanon/fanon のようなファンの解釈と区別して使うことも多く、意味を知っておくと、SNSやファンダム文化、作品考察の文脈をより理解しやすくなります。

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